引用ばかりです。

未来/谷川俊太郎
たった今死んでいいと思うのにまだ未来がある
あなたが問いつめ私が絶句する未来
原っぱでおむすびをぱくつく未来
大声で笑いあったことを思い出す未来
もう何も欲しいとは思わないのに
まだあなたが欲しい

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隈研吾の負ける建築という本を読んでいる。作者は有名な建築家。建物自体はあまり好きではないが、言葉ではなかなかいい事を言っていると思う。が、相変わらず閉口するのは建築家特有の表現。
戦争についての記述「戦争とは異質な空間の強引な接点である。異質な空間が接触し、その二つの空間の上位に、それらを包括するようなメタレベルの空間を構築する事が不可能とわかったときに、人々は戦争と言う手段をあえて採用する。そこではきわめて単純で粗雑なロジックに基づいて勝敗が決せられる。あたらしいテクノロジーが古いテクノロジーに勝利し、単純で鋭利なものが複雑で繊細なものを圧倒するのである。それが戦争の論理である。」この文章はこの本において本質的な部分ではないにも関わらず、読んでいる途中で苦笑してしまった。なんだこの冗長さは。
クラゼヴィッツの様に、「戦争は他の手段をもってする政策の継続にすぎない」と単純で力強い表現ができないものか。大学の頃から建築特有の本質をわかったつもりになるような表現に疑問を感じていたが、卒業後改めて読むとその思いはますます強くなる。結局建築に進まなかったのは、単純にこの自己の存在理由を必死になって説明する姿勢を受け入れられなかったからじゃないかと思った。

今日は引用ばかり。人の批判ばかりしないで、自分をなんとかしろという話ですな。ちょっと弱り気味ですわ。