そうなのか？ - O次郎日記

やっぱり中原中也いいな

骨

ホラホラ、これが僕の骨だ、
生きてゐた時の苦労にみちた
あのけがらはしい肉を破つて、
しらじらと雨に洗はれ
ヌックと出た、骨の尖（さき）。

それは光沢もない、
ただいたづらにしらじらと、
雨を吸収する、
風に吹かれる、
幾分空を反映する。

生きてゐた時に、
これが食堂の雑踏の中に、
坐つてゐたこともある、
みつばのおしたしを食つたこともある、
と思へばなんとも可笑（おか）しい。

ホラホラ、これが僕の骨 ―
見てゐるのは僕？可笑しなことだ。
霊魂はあとに残つて、
また骨の処にやつて来て、
見てゐるのかしら？

故郷の小川のへりに、
半ばは枯れた草に立つて
見てゐるのは、― 僕？
恰度立札ほどの高さに、
骨しらじらととんがつてゐる。

（「在りし日の歌」/中原中也）

福田が首相になったわけだ。
民意、民意とたいそうな事言ってる割には、まぁこの有様だ。
さて、腕前みますかね。

ところで、今回テレビでは散々派閥の理論による福田の選び方が古い自民党に戻ってよろしくない、と報道していた。
街頭インタビューも福田が新総裁に選ばれる懸念にその点をあげていた。（ちなみに北朝鮮を助けるのでよろしくない、というインタビューは一切なかった）
だがね、新しい自民党とういか、新利権構造に移行した自民党はよかったのか？派閥によらない選挙は本当によいのか？
そういった根本的な観点による検証が全くなされていない。
旧＝悪
新＝善
という刷り込み報道はいかがなものか。
確かに派閥の理論による問題も多々あろうが、一極化した権力によるファッショ的な手法の選挙はより問題が多いのではないのか。

今回の選挙も、よくみると派閥による拮抗があったのは福田擁立以前の話であって、小泉が福田を指名した途端に戦況が一変したイメージが強い。
つまり、旧態依然の派閥による選挙というよりも、相変わらず清和会による全体主義的な統制がなされていると考えた方がいいだろう。

おいらにはメディアが必死に小泉改革は素晴らしかったというイメージを刷り込もうとしているように見えて仕方ないんだがね。
しかし、国民が痛み苦しんだにも関わらず歳出が殆ど減ってないとか、旧利権構造を批判し新利権構造を擁護するのなら、そういったしっかりとした振り返りが必要だと思うんだがね。全くやらないで、イメージ報道ばかり。バカはだまされるんだろうが。ゆとりの弊害かね。

そういえば、小泉改革の成果と言われている、道路公団民営化
実施すれば、国の借金は減るだの、高速度道路の料金が安くなるだの持ち上げられていたが、公費投入は全くかわらず、借金も国持ち。
さらに、最近は首都高料金「実質」値上げ。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0709/21/news130.html
だれがどう見ても実質の値上げ。現金の人は700円が1,200円に。ETC搭載の3km以下の走行のみ値下げ。

だれだ、民営化して素晴らしいとか言ってた奴は。わらっちゃうね。
道路はね、国の血管だ。血流が悪くなれば、経済もよくならない。
そもそも、700円でも高いわけなんだがね。各国の高速料金の比較
国名
日本　　　　　　24.6円/km
フランス　　　　11.5円/km
イタリア　　　　　7.5円/km
アメリカ　　　　　4.1円/km
http://www.mlit.go.jp/road/kadai/pdf/6.pdf#search='%B9%E2%C2%AE%C6%BB%CF%A9%20%CE%C1%B6%E2%20%BD%F4%B3%B0%B9%F1'

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でね、これもまた報道されない。なんでか？今回はETC導入促進の目的も含まれている。ETC利権はトヨタが握ってるからね。トヨタは大事なスポンサー様だ。

ちょっと古いが朝日のこの記事
http://www.asahi.com/politics/update/0916/TKY200709160117.html
次の首相、福田氏５３％、麻生氏２１％　本社世論調査
「「年金」が３２％と最も多く、以下、「経済格差」３０％、「財政再建」１９％、「外交や安全保障」１６％の順。「格差」を挙げた人では、福田氏５７％対麻生氏１７％と差がやや開くのに対し、「外交・安保」を選んだ人は４６％対４０％と接近しているのが特徴だ。」

相変わらずの恣意的な調査の匂いぷんぷんなんだが、これが本当だとすると恐ろしい事だ。
なんせ、格差是正を選んだやつが、福田を支持する。
あのね、福田は小泉の後継者だよ。地方切り捨てる、って前からいってんじゃん。格差なんて無いと思えば無いなんて言ってるじゃん。
麻生の方が、格差是正に取り組んでるんだがね。
つまりだよ、イメージに左右されてるんだ。本質見てないんだ、愚民どもはね。